NO.001-天智天皇
すべての始まりとして、この一首を。
百人一首の第一首に選ばれている、天智天皇の和歌。
それは、ただの順番ではなく、日本の和歌文化の“始まり”を象徴する一首でもあります。

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
この歌に込められているのは、「収穫を願い、自然と共に生きる人々への眼差し」。
そして、天皇という高貴な立場でありながら、農村の風景を詠んだという点に、深い意味を感じました。
百人一首の「第一歩」としてふさわしい
記念メダル第一弾を制作するにあたって、「どこから始めるか」は非常に大切なテーマでした。その答えが、“第一番の歌”であると同時に、“本質的な日本の心”を伝えるこの和歌だったのです。このメダルが、百人一首の世界への扉となり、
それぞれの心に「自分なりの百人一首」を刻んでいくきっかけになればと願っています。


【意訳】
秋、田んぼ近くの仮小屋の屋根を覆うむしろの目は荒い したたり落ちる露で、わたしの袖はぬれてしまったよ
【人物】
天智天皇(626年-672年)第38代天皇
即位前の名前は中大兄皇子、645年時の権力者、蘇我入鹿を暗殺、後に大化の改新を行いました。 日本最初の元号、大化を設定。歌番号2の持統天皇の父