060 小式部内侍 060小式部内侍大江山 いく野の道の遠ければ まだふみもみず 天の橋立大江山を越え、生野を通って行く道は遠いので、天の橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの文(手紙)もまだ見ていません。 2026.02.25
059 赤染衛門 059赤染衛門やすらはで 寝なましものをさ夜ふけて かたぶくまでの 月を見つるかなためらわずに寝てしまえばよかったのに。あなたを待つうちに夜が更けて、西に傾くまでの月を見てしまいましたよ。 2026.02.25
058 大弐三位 058大弐三位有馬山 猪名の笹原風吹けば いでそよ人を 忘れやはする有馬山の近く、猪名の笹原に風が吹くと笹がそよぎます。「そうですよ、その音のように」どうしてあなたのことを忘れたりしましょうか。 2026.02.25
057 紫式部 057紫式部めぐりあひて 見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし 夜はの月かなせっかく巡り会えたのに、それがあなたかどうかも見分ける間もなく、雲に隠れてしまった夜中の月のようにお帰りになったのですね。 2026.02.25
056 和泉式部 056和泉式部あらざらむ この世のほかの思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな私はもうすぐ死んでしまうでしょう。あの世への思い出に、せめてもう一度だけ、あなたにお逢いしたい。 2026.02.25
055 大納言公任 055大納言公任滝の音は たえて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ滝の水が枯れて音は聞こえなくなって久しいけれど、その名声だけは今も流れ伝わって聞こえてくる。 2026.02.25
054 儀同三司母 054儀同三司母忘れじの 行末まではかたければ 今日を限りの いのちともがな「決して忘れない」というあなたの言葉が未来まで続くのは難しいでしょう。だから、そう言ってもらえた今日、命を終えたいのです。 2026.02.25
053 右大将道綱母 053右大将道綱母嘆きつつ ひとり寝る夜の明くる間は いかに久しき ものとかは知る嘆きながら一人で寝る夜が明けるまでの時間が、どれほど長く寂しいものか、あなたはご存知でしょうか。 2026.02.25
052 藤原道信朝臣 052藤原道信朝臣明けぬれば 暮るるものとは知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな夜が明ければまた日が暮れて逢えるとは分かっているけれど、それでもやはり別れの朝は恨めしく感じてしまう。 2026.02.25
051 藤原実方朝臣 051藤原実方朝臣かくとだに えやはいぶきのさしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを私の思いがこれほどとは言えません。伊吹山のさしも草のように、燃えるような私の恋心を、あなたはご存知ないでしょうね。 2026.02.25