百人一首図鑑

050 藤原義孝

050藤原義孝君がため 惜しからざりし命さへ 長くもがなと 思ひけるかなあなたに逢うためなら惜しくないと思っていた命ですが、逢えた今となっては、少しでも長くありたいと思うようになりました。

049 大中臣能宣朝臣

049大中臣能宣朝臣御垣守 衛士のたく火の夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ宮中の門を守る衛士の焚く火が、夜は燃え昼は消えているように、私の心も夜は激しく燃え、昼は消え入るように悩んでいる。

048 源重之

048源重之風をいたみ 岩うつ波の己のみ くだけて物を 思ふころかな風が激しいので岩に当たって砕ける波のように、私の心も砕け散らんばかりにあなたを想い悩む今日この頃です。

047 恵慶法師

047恵慶法師八重むぐら しげれる宿のさびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり幾重にもつる草が生い茂った寂しい宿。訪ねてくる人は誰もいないけれど、秋だけは忘れずにやってきたのだなあ。

046 曾禰好忠

046曾禰好忠由良の門を 渡る舟人かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな由良の瀬戸を渡る船人が、梶を失って行く先も分からず漂うように、私の恋の道もどこへ行くのか分からない。

045 謙徳公

045謙徳公あはれとも いふべき人は思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな「かわいそうに」と言ってくれる人も思い当たらず、私はこのまま虚しく死んでいくのでしょうね。

044 中納言朝忠

044中納言朝忠逢ふことの 絶えてしなくはなかなかにつきをも人をも 恨みざらましもし「逢う」ということがこの世になかったならば、つれないあなたのことも、自分の運命も恨まずに済んだのに。

043 権中納言敦忠

043権中納言敦忠逢ひ見ての のちの心にくらぶれば 昔は物を 思はざりけりついにあなたに逢えた後のこの苦しい恋心に比べれば、逢う前の悩みなど何も思っていないのと同じだった。

042 清原元輔

042清原元輔契りきな かたみに袖をしぼりつつ 末の松山 波越さじとは誓い合いましたよね。涙で濡れた袖を互いに絞りながら、末の松山を波が越えることがないように、決して心変わりしないと。

041 壬生忠見

041壬生忠見恋すてふ わが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか恋をしているという私の噂が、早くも広まってしまった。誰にも知られないように思い始めたばかりなのに。