百人一首図鑑

040 平兼盛

040平兼盛しのぶれど 色に出でにけりわが恋は 物や思ふと 人の問ふまで誰にも知られぬよう耐えてきたけれど、顔色に出てしまったようだ。「物思いをしているのか」と人に聞かれるほどに。

039 参議等

039参議等浅茅生の 小野の篠原しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき浅茅の生えた小野の笹原のように、忍んで耐えてきたけれど、どうしてこれほどまであなたのことが恋しいのか。

038 右近

038右近忘らるる 身をば思はず誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかなあなたに忘れられる自分のことは何とも思いませんが、神に誓ったあなたが嘘をついた罰で命を落とすのが惜しいのです。

037 文屋朝康

037文屋朝康白露に 風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける白露に風がしきりに吹いている秋の野原は、糸に通していない真珠が散らばっているかのようだ。

036 清原深養父

036清原深養父夏の夜は まだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ夏の夜はまだ宵(夜のはじめ)だと思っているうちにもう明けてしまった。月は雲のどこに隠れているのだろう。

035 紀貫之

035紀貫之人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける人の心はどう変わったか分からないが、昔なじみのこの里では、梅の花だけが昔と同じ良い香りで咲いている。

034 藤原興風

034藤原興風誰をかも 知る人にせむ高砂の 松も昔の 友ならなくにこれから誰を旧友と思えばよいのだろう。長寿の高砂の松でさえ、昔からの友ではないのだから。

033 紀友則

033紀友則ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむこんなに日の光がのどかな春の日に、どうして桜の花だけは落ち着いた心もなく散っていくのだろうか。

032 春道列樹

032春道列樹山川に 風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり山の川に風が架けた「しがらみ(柵)」の正体は、流れきれずにたまっている美しい紅葉であったのだなあ。

031 坂上是則

031坂上是則朝ぼらけ 有明の月と見るまでに 吉野の里に 降れる白雪朝方に空がほのぼのと明るくなってきた。有明の月の光かと思うほど、吉野の里に白雪が降り積もっている。