百人一首図鑑

020 元良親王

020元良親王わびぬれば 今はた同じ難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふこんなに思い悩んでいるのだから、今はもうどうなっても同じだ。難波の澪標(みおつくし)のように身を捨ててもあなたに会いたい。

019 伊勢

019伊勢難波がた 短き芦の節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや難波の干潟に生える芦の短い節の間のような、ほんの短い時間でさえも会わずにいろと言うのですか。

018 藤原敏行朝臣

018藤原敏行朝臣住の江の 岸に寄る波よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ住の江の岸に寄る波のように、どうして夜の夢の通い路でさえもあなたは人目を避けて避けるのだろうか。

017 在原業平朝臣

017在原業平朝臣ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 からくれなゐに 水くくるとは神代の昔でさえ聞いたことがない。竜田川が紅葉で鮮やかな唐紅の絞り染めになっているなんて。

016 中納言行平

016中納言行平立ち別れ いなばの山の峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来むお別れして因幡の国へ行っても、稲葉山の峰の松のように「待っている」と聞いたなら、すぐに帰りましょう。

015 光孝天皇

015光孝天皇君がため 春の野に出でて若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつあなたに差し上げるために春の野で若菜を摘んでいる私の袖に、雪がしきりに降りかかっている。

014 河原左大臣

014河原左大臣陸奥の しのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに陸奥の信夫摺りの乱れ模様のように、私の心は乱れ始めてしまった。あなたのせいではないですか。

013 陽成院

013陽成院つくばねの 峰より落つる男女川 恋ぞ積もりて 淵となりぬる筑波山の峰から落ちる男女川のように、あなたを想う私の恋心も積もって深い淵のようになってしまった。

012 僧正遍昭

012僧正遍昭天つ風 雲の通ひ路吹き閉ぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ天を吹く風よ、雲の中の通り道を閉ざしておくれ。天女たちの舞い姿をもう少し見ていたいのだ。

011 参議篁

011参議篁わたの原 八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまの釣舟大海原へ、多くの島を目指して漕ぎ出したと都の人に伝えておくれ、漁師の釣り船よ。